自宅での練習の習慣化(子どもの場合)

うちの教室の生徒は良く練習します。
まだ小さい子は「毎日15分」のお約束で入会します。
少し大きくなると、だんだん延びて、ブルクミュラーや同程度のギロックあたりでは、30分と伝えています。

ステップアップコースの場合は、全体にもっと長い時間を求めていますが。

どうしてみんな練習するのでしょうか?教師が厳しい?いえ、そんなことはありません。毎日、練習シールを貼ってくるとかの工夫?それもしていません。お互い競争させる?
いえ、まったくしていません。発表会なども生年月日順です。

ひとことでいって、教室の環境によるものだと思います。
個人レッスンですが、「自分の前の子も後の子も練習しているらしい。きっとピアノはみんな毎日するものなんだ。」と子どもたち。
半年に一度発表会があります。これは他教室より多いようです。親御さんも「発表会が近いから練習しようね。」などと声がけしやすいとおっしゃいます。保護者の見学が原則となっています。これも、家庭での環境作りにつながります。

私の長男(正のことですが)が小学1年生の時、学校から帰ってきて「ねえ、ピアノって毎日練習するものだよね?しない子がいるんだって…」って不思議そうに私に問いかけたことがあります。「毎日、歯磨きはするんだよね。しない子がいるんだって…」というイメージの会話でした。

ヴィエナの教室も練習は当然、という流れにかなり近づいてきています。ただ、「親が黙っていても、子どもが自主的に練習するようになる。」などという理想郷の話をしているわけではありません。それはたいてい無理。「親や教師が『毎日練習ね』って言ったら、毎日練習する」というので今は満点です。小さな子は目指すのはそこで十分です。

あとは、高校になって、愛の夢や幻想即興曲が素敵に格好良く弾けたら、そのあとは、ピアノを練習するなと言っても一生の趣味になってしまうでしょう。

追記 テレビの対談の番組のなかで、芥川賞作家で、臨済宗の僧侶、 玄侑 宗久(げんゆう そうきゅう )さんが、「芸術の身につけ方は宗教に似ている。繰り返し繰り返し練習し、それを自然な状態にまでにし、身につけていくという過程は、宗教を身につけていく方法と同じだ」とおっしゃっていました。玄侑さんのお寺でのコンサートの様子を画像で紹介しながらのお話でした。座禅なども深く理解し、勧めている方です。ピアノの日々の練習が心の平穏や修練にも役立つなんて嬉しいことです。

kumiko

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