気づいてないことに答えがある

レッスンでの発見について書いてみたいと思います。

先日、レッスンで何でだかうまくいかないことがありました。

とても技術もあり、音楽的にも素晴らしくベートーヴェンのソナタを弾いている方のレッスン。表現も考えに裏打ちされていますし、私としても発見があったりします。

次はモーツァルト、ということで始めに一回聞かせてもらいました。

何かがおかしい…

ベートーヴェンの時のような生き生きとした表現が影を潜め何となくフワフワしているように感じます。

リズムの(拍の)感じ方が緩いのでそこを指摘したり、音量を変えてみたりしても中々上手く行きません。

こういう時は一緒に考えることにしています。原因は根本的な部分で演奏者が気づいていないことにあることが多く、話の中からそれを掘り出していきます。

こういう時はレッスンの半分以上ピアノはそれほど弾かずに話しています。

何だかカウンセラーの様にも思いながら、進めて行きます。

それでも1回目では原因は判らず、次のレッスンまでの間に自分も考えながら過ごしてちょっと気づいたので聞いてみました。

「弱く弾こうとしていませんか?」

すると、

「モーツァルトは軽やかな方が良いと思うので」との答えでやっと判明しました。

そこで言うことは一つだけ。

「大きく弾いて大丈夫です!」

すると見違えるように元の生き生きした演奏と表現が戻ってきました。

おそらくご自分でもイメージに沿って弾くことが大切という想いがあり、それが当たり前だったのでわざわざ言わず、こちらもちょうどそこを聞かなかったので分からず。

気づいていないところに気づいたことで一気に改善しました。

そういえば最近そんなレッスンも多いです。あまり弾かないレッスン。

でもそれがとても役に立つし、大きな変化があるときは弾いている意識や感覚が変わることによってです。枝葉では根本的には変わらないので思い切った変化が必要な時は沢山考えて会話することが大切ですね。

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