ピアニストになるには

ピアニストになるにはどうしたら良いの?という質問があります。

3歳から始めた方が良い。いやもっと早いほうがいい。6歳でも充分、との始める時期についての意見や、

一日中、時には10時間練習が必要。1日弾かないと下手になるから何としても毎日弾く。など時間に関してのことも。

驚いたところだとグランドピアノで、しかもスタインウェイではなくては!など。

どれも正解はありませんが、始める年齢は4、5歳くらいが多いでしょうか。でも10歳から始めた素晴らしいピアニストももちろんいます。

小さい頃から始めるとやはり音感が良くなりますのでこれは確かに早めが良いと思います。

では練習の時間は?練習の時間に関してもこれは勉強と同じで質がとにかく大事。質につながるのは練習の時のモチベーションです。自ら集中した1時間と、強制された5時間では確実に前者の方に価値があるでしょう。

そうは言っても子供が完全に自主的に練習することは少ないので、習慣化してある程度決まった時間ピアノに向かうことは大切です。どのくらい「させて」どのくらい「自ら」弾くかのバランスは永遠の課題でしょうね。

ただ大きくなってきたらそれこそ、自分でするしかありません。

楽器にしても良い楽器が教えてくれるということはあるにせよ、何かで「なくてはならない」ということはありません。ピアノメーカーの営業トークとして考えます笑。何がより良いというのはあるにはありますが。

ただこれにしても、特に高価な楽器でなくてウィーンフィルに入った人も知っています。要はその人の音楽にかかってきます。

そして、

私が思うに、ピアニストになる=ピアノが上手くなるだとすると一番肝心なことは、

「音楽が好きになること」

だと思います。

以前どこかに書きましたが、ピアニストへのインタビューで小さい頃の先生に習ったことは?というのがあり、一番多かった答えは「音楽の楽しさを教えてくれた」だったそうです。

初めに習う先生に習うべきところはやはりそこだと想いを新たにしたことを覚えています。

基礎の基礎としてその気持ちがあり、そこから専門的な教師に習っていく流れが一番良いと思います。

ピアニストになる=有名なピアニストになるだとすると、またこれは話がちょっと違ってきます。如何に名前を売るかということを考える方向になるので、賞を沢山もらってとまずはなりますが、世の中には数限りなく賞(コンクールなど)があり、しかもほぼ毎年あります。

そうなってくると、差別化を図りオリジナリティを出す訳ですが(商売と同じですね)、クラシック音楽はそもそも自分をアピールするという性質のものではなく、やはり伝統のあるものですし、それを理解して、自分もそこから感動や安らぎをもらって、それを聞く人にも分け与えるというものです。

実際、競争に向かないジャンルです。

音楽を深く追求する前にそっちが頭にあると本来進むべき方向と違う方に行ってしまいます。

楽譜にある音楽を理解し、作曲者も理解し、自分のフィルターを通してそれを追求して、結果的にピアニスト(ピアノが上手くなった)になっていたということが理想でしょう。

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