ヴィエナのオンラインレッスンついに完成!

2020年4月のコロナによる最初の緊急事態宣言の際、教室を少しの期間閉めました。5月には再開しましたが、その頃から世の中では接触機会を減らすということでオンラインレッスンが増えて来ました。

そんな中でも、「オンラインでは本当の音楽のレッスンは出来ない」との想いから教室はガイドラインに則った感染対策をしつつ再開し、生徒さん達もみなさん継続して通ってきていることを嬉しく思っています。

ただ、これからの状況がどうになるか見通せないのは確かで、オンラインレッスンの様々な形をその頃から考えては来ました。

オンラインレッスンといえば、文字通りオンラインでのレッスンなので、もちろんリアルタイムでのやりとりがあります(あるはずです)。調べるとfacetime、zoom、skype、messenger、など何のアプリを使うのが良いかというところを調べて説明してあるサイトなどあり試してみました。しかしスマートフォン一台でやっている限りどれも似たり寄ったりというところで、生の音には程遠いと感じました。

そこで、動画を撮って送ってもらいそれについてコメントするというスタイルに変え、部分的にはうまく行きました。音質的にはリアルタイムのような強烈な劣化はありません。ただ、これはやりとりを何度もするのは現実的ではないので一度、例えば通して弾いた演奏を送ってもらい、こちらはメールなどで、「全体的にはこう、3小節目のこの音は・・、5小節目は左手を・・・」と書いていき、結果、ひたすら長くなってしまいます。コンクールの詳細な講評の様です。

そうするとやはりアドバイスとして話す部分はリアルタイムで動画で繋げたい。そこでの言葉や気持ちのやりとりが「レッスン」だと思うので。ただ、音の劣化をできる限り無くして、本物に近い音で。となります。

音質に徹底的にこだわるため、様々なマイクをリサーチして、AKG414というマイクに決めました。スタジオなどでは定番中の定番マイクです。他にもNeumann、DPAなども見ましたが、やはり定番なりの良さを取りました。それにAKGはウィーンのメーカー、ヴィエナにぴったりです。

AKG C414 XLII STEREO SET

そしてマイクを選んだここからが大変でした。音質にこだわるからには、他の機材も良いものを揃える必要があります。ほぼレコーディングや配信の知識が無いところからだったので、どんな機材が必要か、繋ぎ方は?というところから勉強しました。

あまり考えず簡単にシステムを作ってみて、結局音が変わらないのであればせっかく環境と整えても本末転倒です。

結果的に現時点でのオンラインレッスン用としては・・・ピアノ音用のマイク2本と、声用のマイク1本をミキサーに繋ぎ、それをオーディオインターフェイスに繋いで、それからモニターヘッドホンとiPadへという流れになりました。

AKG C414 XLII STEREO SET
AKG  D7S
YAMAHA  MG10XU
PRESONUS  AudioBox iTwo
AKG  K371-BT
オンラインレッスン用iPad

決まるまでに検討したこととしては以下のこと等です。

  • ピアノ用にオフマイク(遠目のマイク)をもう1本か2本設置する
  • 声用のマイクを無線にする
  • iPadではなく、パソコンを使う
  • マイク以外の機材の性能
  • 複数視点のためにカメラを設置

どれも一考の余地があるのですが、結果的に、設置や保管のしやすさと音質のバランスを考慮して現在のシステムになりました。

このシステムは録音用としても使用できるので、その場合には機材を追加したり変更したりすることで、本格的な録音スタジオの環境も整うことになります。また、この機材を使ってオンラインで繋ぐとより良い音になると思います。

録音の場合は・・・ピアノ用のオンマイク2本、オフマイク2本をより性能の良いインターフェイスに繋ぎ、そこからモニタースピーカーとパソコンへ。

audio technica AT4040 ×2
ANTELOPE AUDIO Discrete 4 Synergy Core
YAMAHA MSP3A

コロナに関しては早く終わって欲しいとの思いしかありませんが、このオンライン化の流れの中で、今までよりも知識も増え環境も整えていければ悪いことばかりではなかったと後で言えるかとも思います。

ただ、これでも問題点は実は半分しか解決していません。こちらから送る音は良くても、相手からの音は向こうの環境に左右されます。日常的にオンラインをする人ならともかく、皆が家にこの環境を作るのは現実的ではないです。もっと手頃なスマートフォンに直接繋ぐマイクなどもあるのでその辺りを活用することになると思います。

そして最後に、ここまで環境を整えた上でも、リアルでレッスンが出来る状態であれば、それが一番良い!のは他に論を待ちません。今日の時点でこのシステムが最も活きてくるのは相手との距離が遠い場合でしょう。そんな状況も想定しつつシステムもアップデートしていきたいと思います。

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