音のないレッスンが大切

先日は1時間のレッスンのうち半分以上を話が占めました。

話といっても自分が一方的に話すのではなく、生徒にどう思ってる?どう感じてる?と聞きながら対策を考えていっています。

ピアノのレッスンは毎回、生徒に合わせて内容が違います。当たり前と言えば当たり前ですが、進度も性格も考え方も違うのでこちらもそれに合わせて考え方を整えます。

今回の話はショパンについて。

とても音楽的にも優れていて普段から音楽の内容を話すレッスンが出来ている子ですが、なぜかいつもショパンの曲になるとしっくり来ません。

以前もショパンはあまり面白くないという雰囲気だったこともあり時間を置いて久しぶりにしてもやはりしっくりこないということで、何が原因か聞き出そうとしました。

「他の作曲家の曲と違うアプローチをしてる?」

「音楽を考えずもうちょっと音だけ弾いてみたら?」

「そんなに頑張って弾かなくても良いのに」

などと話していくと、「表現」をしようとすると弾けなくなるということが分かりました。

確かに音楽をしようとして、そのことによって弾けなくなることはあります。往々にしてその場合は気持ちが先行して技術的な問題が起こっています。

技術がついてくればもちろん問題はないですが、曲の難易度が上がるに連れてやはりリラックスした自然なテクニックで弾かないと演奏不可能になってきます。

速く指を動かしたり、手を移動させたりするのに力んでいたら出来ません。

そのな時は「一旦音楽を忘れて、ただ弾いてみる」のが良い方法だったりします。ただ弾くというのは、文章で説明するのはとても難しいですが、音を楽譜通りにゆっくり並べていくということです。あまり気持ちを入れずに。

突き詰めれば、ピアノは良いタイミングで鍵盤を下ろせば良いということに尽きるので、できるだけ気持ちを排除することでそこに近づくことができます。

もちろん最後には音楽にするというのは当たり前です。そこに至る道のりをちょっと工夫して回り道をしたりするとうまくいくことがあります。

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