ミュージカル モーツァルト!

こんにちは。毎日暑い日が続きますね。毎週レッスンで会う度に、生徒さんが日焼けして行くのを見て、暑い中でも元気に過ごしているのだなと思っています。くれぐれも熱中症等に気を付けて、夏休み中も過ごして欲しいと思います。

今日は少し前に観た、ミュージカル《モーツァルト!》について書きたいと思います。題名の通り、モーツァルトが主人公のウィーン発のミュージカルです。他にもウィーン発のミュージカル《エリザベート》を製作した脚本・歌詞のミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲のシルヴェスター・リーヴァイが共同で製作しました。

実は、学生の頃、ウィーンを訪れていた時に一度《モーツァルト!》を観劇した事がありました。しかも偶然にも、その日はモーツァルトの誕生日であり、終演後、キャストと観客でモーツァルトへ、Happy birthday to youを合唱したという思い出があります。その時の演技や歌唱、舞台演出が、素晴らしく、ストーリーをあまり理解せず観たのにも関わらず、とても感動しました。

その事もあり、日本で公演される《モーツァルト!》を、観る機会があればと思っていたのですが、遂に果たす事が出来ました。

《モーツァルト!》は、モーツァルトの生涯を描いていて、卓越した才能があるが故、様々な出来事に葛藤しながらも成長して行くというストーリーです。勿論モーツァルトの楽曲も劇中に使用されています。

幼少期は神童として扱われ、青年になったモーツァルトは、自分を縛り付ける故郷ザルツブルクの領主であるコロレド大司教に仕えて作曲する事に嫌気がさし、「大司教に逆らうな」という父レオポルト(レオポルトは宮廷楽師)とも衝突してしまいます。当時の音楽家は使用人、という立場でしかなく、王家、その地の領主等の権力者、貴族等といったパトロンのからの仕事が無いと生活が出来ませんでした。父親に、大司教には逆らうな、と言われるのも当然の事ですが、その父親にも反発し、名声と自由な音楽活動を求め、ザルツブルグを出て、ウィーンやパリ、マンハイムに向かいます。そこで悪妻と言われるコンスタンツェに出会い、オペラも作曲します。

生活の中での様々な葛藤、演奏会の成功、高まる名声、父母の死や、コンスタンツェとのすれ違いなど、名曲に乗せてストーリーは展開し、物語の終焉であるモーツァルトの死へと向かいます。

観ていて、どの人の立場を取っても気持ちが分かるけれど、でもその人たちは分かり合う事は出来ない、のような複雑な気持ちになりました。最後はハッピーエンドとはなりませんが、遠い存在であるモーツァルトが人間味が溢れ、とても身近に感じられたと思います。そして何よりも魅力的な音楽にとても惹きつけられました。モーツァルトが実際に送った手紙の内容を基にした歌詞の曲もあります。

これを機に、もう一度モーツァルトの作品を聴き直してみたいと思います。モーツァルトはフルートが嫌い、という話はフルートを演奏する人の中では有名ですが、理由として、当時の使用されていた木管フルートは音量も小さく、音程も安定しづらいといった扱いにくさによるものだったそうです。作られた2曲の協奏曲の一つはオーボエの協奏曲を編曲したものでもあります。

それにしても数少ないモーツァルトのフルート作品はとても美しく、難しい曲ですが、嫌々作曲した曲とは思えません。素晴らしい才能を持った神様のようなモーツァルトから、少しイメージを変えて無邪気で音楽が大好きなモーツァルトを想像しながらモーツァルト作品に向かってみたいと思います。

chiemi

この記事をシェアする

ARCHIVES

ページ上部へ戻る